dueでは、ユニットバスを採用することが少ないです。
個人住宅では、採用する理由があまり見あたらないからです。
浴室は狭い空間ですが、様々な要素から成り立っています。
床、壁、天井の仕上げ、天井高さ、窓の位置やサイズ、外部とのつながり、浴槽の高さ、深さ、水栓器具、暖房設備などなど...
ユニットバスでは、これらを自由に選ぶことが出来ません。
寸法は、1620、1717、1418といった規格に制限されます。
商品寿命は短いので、あっという間に「旧式」になります。
コストについてもハイグレードなものを選べば、ちょっとしたオーダー浴室より高価なこともあります。
下の写真は、dueが設計した浴室の例。
特別にお風呂にこだわった家、というわけではありません。
木の温もりが欲しい、お掃除をしやすく、介護しやすく、空を見たい、家族全員で入りたい...
そうした要望をひとつひとつ取り入れ、ごく普通に快適な浴室を造ろうとしただけです。
コストはそれぞれ違いますが、同程度の広さのユニットバスと同等か、安いものもあります。
では、なぜ一般住宅でユニットバスが多用されるのでしょうか?
それは、利益率が高く、施工が簡単で速く、メンテナンスやクレームをメーカー任せに出来るからです。
住まい手の視点ではなく、作り手の都合で使われているのです。 典型的な、住宅産業的商品と言えるでしょう。
タイル貼りの風呂は寒い、メンテしにくい、といった話を聞きます。
でもそれらは、設計の工夫でカバーできることです。
水を使うデリケートな場所なので、設計・施工には豊富な経験と技術力が必要です。
でも、好きな仕上げや機器を選び、大きな窓を付け、床暖房を入れた浴室の快適さは、ユニットバスの比ではないと思います。
ユニットバスとは本来、工業製品としての品質安定性によって、高層のホテルやマンション等で使われるべきものでしょう。
ノート一覧へ