店舗や事務所、工場は、建物がお金を稼いでくれます。
稼げない建築は0点ですが、収支計画通りのお金を稼げる設計であれば、一応は及第点がもらえます。
でも、家は1円も稼いではくれません。
単に住めれば良いなら、2DK・50㎡のアパートで十分かもしれません。
なのに、人は2千万、3千万という大金を払って家を建てます。 借金というリスクを負います。
なぜでしょうか?
極論すれば、家とは究極の自己満足なのかもしれません。
自己満足で良いのだと思います。
満足や幸福、それこそが、生きる意味でしょう。
その意味を真剣に考え、的確に捉え、応えることが、住宅設計そのものだと思っています。
だから、要求された機能を満たすだけの家は0点です。
その人にとって本当に良い家とは、コスト・パフォーマンスだけでは表せない、大きな大きな満足感と幸福感をもたらすはずです。
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