「依頼主が本当にやりたいこと」は、要望の箇条書きやチェックシートの○×ではわかりません。
何畳の部屋が何個欲しい、キッチンは対面式、2階にトイレを...
このような具体的な要望は、あまり役立ちません。
私たちは、設計監理契約を結んでから最初の数ヶ月は、ひたすら依頼主との対話を繰り返します。
すぐには図面を描きませんし、結論も出しません。
家についての夢を、なるべく多く語ってもらいます。
私たちはそのきっかけとなるような質問をします。
家族内の意見をきちんと集約する必要はありません。
バラバラに、自由に、やりたいことを話していきます。
私たちも、家族の一員になったつもりで、同じ目線に立って意見を出します。
ここでは、実現可能性は無視します。 突拍子もないようなアイデアこそ大切です。
こうした打合せを、ブレーンストーミングといいます。
自由に語り合ううちに、本当にやりたいことが、少しずつ見えてきます。
私たちふたりは、それぞれ異なる感性で捉えていきます。
依頼主も、話すことで自分たちの気持ちを整理・再確認していきます。
やりたいことに、優先順位が付いていきます。
そしてしばらくの間、私たちは缶詰になります。
最初の提案。
ここが勝負です。
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