快適な住まいづくりに欠かせない断熱材。今回は、断熱材と工法の基礎知識や注意点をざっくり解説します。
断熱材によって、以下のような効果を高めることができます。
断熱材にはさまざまな種類があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。建物の構造やコストを考慮して選択します。
断熱材の断熱性能は熱伝導率と厚さで決まります。たとえば、フェノールフォームは低い熱伝導率を持ち、薄型でも高い性能を発揮します。逆にいえば、熱伝導率が高めのグラスウールでも、厚さを増やすことで高い断熱性能(熱抵抗値)が得られるのです。
以下は代表的な断熱材の熱伝導率と、次世代省エネ基準を満たすための標準的な厚さを示しています。
断熱材の種類 | 熱伝導率(W/mK) | 標準的な厚さ(mm) |
---|---|---|
グラスウール | 0.038〜0.050 | 100〜200 |
ウレタンフォーム | 0.024〜0.038 | 75〜100 |
フェノールフォーム | 0.020〜0.024 | 65〜75 |
断熱材は壁、屋根、天井それぞれに合った施工方法があり、これらを互いに組み合わせて使用することもあります。たとえば、外壁を充填断熱、床下を床断熱としながら、勾配屋根を活かすように屋根断熱を採用することもできます。
断熱材が正しく機能するためには、以下のような設計・施工上の注意が必要です。
断熱材とその施工法にはそれぞれにメリット・デメリットがあり、どれが一番、ということはありません。建築設計dueでは、要求性能やコストを明確化したうえで、建築の構造やデザインに合わせて適材適所で選択し、正しく施工されるよう監理を心がけています。