ちょっと趣味の世界に入ってしまいます...
私は写真を撮るのが大好きです。
趣味としても撮りますが、むしろ建築写真を撮るのが最大の趣味だと思います。
さて、自分が設計した建築の竣工写真を自分で撮ることに、どんな意味があるのでしょう?
設計から竣工まで、少なくとも1年くらいはかかります。
自分の一生が80年として、その1%以上を費やしていることになります。
そこには、依頼主や土地との対話を繰り返した歴史があります。
写真を撮っているとき、私は建築と会話している気分です。
うまくいったか? 居心地はどうだ? ん? ちょっと違う?
こんな風景があったか! うん、よしよし。
そして、設計者とは別人格のような視点が次々と現われます。
写真を趣味とする人ならわかるでしょう、被写体との蜜月のとき、なんともいえない興奮状態になるのです。
最後に、お別れを言います。 さあ、これからも頼むよ! と。
娘を送り出す気分でしょうか? (想像はつきませんが)
自分の体の一部であった建築を、切り離す作業のようでもあります。
そして、お別れしたら、頭を真っ白にするのです。次の建築が、ゼロから出発できるように。
写真を撮ることで区切りをつける、そういうこともあるかもしれません。
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