雑誌や広告などで、よく坪⚪︎⚪︎万円という言葉を見ます。
坪単価=工事費/床面積
つまり、ひと坪あたりのコストということですが、分母(床面積)と分子(工事費)の定義がはっきりしません。
床面積にはいろんな算定方法があります。
基本になるのは建築基準法上の床面積ですが、これには吹抜け、中庭、バルコニー、天井の低いロフトや床下収納などが含まれません。
坪単価を正しく表すには、施工床面積という新たな定義が必要になるでしょう。
また本来は、面積ではなく空間の大きさ、すなわち天井の高さを加味した内容積をカウントするべきかもしれません。
また、平屋建ては同じ床面積の総2階建てに比べて基礎と屋根の面積が2倍になり、断熱材の面積も大幅に増えます。
工事費にもいろんな算定方法があります。
本体工事費と称して外構、エアコン、カーテン、地盤改良費用、さらにはキッチンや造作家具、屋外配管を本体工事費から省くこともあるそうです。
こうした床面積と工事費の算出方法の違いによって、簡単に2~3割の差が出てしまいます。
坪単価とは、ごく大雑把な目安にしかならないばかりか、混乱を招く表現ではないかと思います。