建築設計dueでは、これまでRC造(鉄筋コンクリート造)の住宅を多く造ってきました。
耐火性、耐震性、遮音性、気密性、蓄熱性、そしてRCでしか成し得ない、圧倒的な存在感が魅力です。
自分にとっては学校を出て初めて設計した建物がRCでしたし、最も経験の多い分野なので自信を持っています。
コンクリートというと、特に北陸では「寒いのでは?」「結露するのでは?」という声も聴きます。
しかしそれは断熱に関する認識や素材が十分でなかった古い時代の設計、施工法によるものです。
きちんと設計・施工されたRC建築は、むしろ木造よりも温熱環境が安定し、dueの事例においても高い満足感が得られています。
コストについては、やはり同レベルの仕様の木造よりは多く掛かります。
コンクリートという材料そのものはそれほど高価ではないのですが、サッシや防水、断熱等の仕様が木造とは異なり、特注部品が多くなります。また鉄筋コンクリートの構造体は現場での一品生産のため、品質を保つために施工管理の手間も掛かるからです。
しかし、構造材=仕上材になり得るというコンクリートならでは特徴を活かして、無駄を省きコスト低減に成功した事例も多くあります。
簡素な打放し仕上げをうまくデザインに活かすこと、そして間取りや空間と構造計画の整合性も重要になります。
設計のスキルがコストに直結するのがRC建築といえるでしょう。
なお、鉄筋コンクリート造の構造形式は大きく分けて2種類あります。
ひとつは柱、梁のフレームの靭性で構成する「ラーメン構造」、もうひとつは壁とスラブで固める「壁式構造」です。
学校や集合住宅などではラーメン構造が向いており、住宅のような小規模低層建築では壁式構造が向いています。
壁式の欠点は高さに限界があることと、ある程度の壁量が必要なことですが、住宅のスケールでそれが問題となることは少ないのです。
比較的コストが低く抑えられ、また剛性が高く変形量の少ない構造形式でもあり、阪神大震災でもほとんど被害を受けなかったといわれています。
工法としては、現場で型枠と鉄筋を組み上げてコンクリートを打設する「現場打ちコンクリート工法」が一般的ですが、
工場で製造したコンクリートパネルを現場で組み立てる「PC(プレキャストコンクリート)工法」もあります。
PCは製品としての品質を保ちやすい一方で、形状の制約があり、防水を継ぎ目のシーリング材に頼る欠点があります。
生産効率が良いため、規格型のプレファブ住宅や、橋梁やスタジアム、高層マンションなどで利用されています。
また、ALC(発泡コンクリート)パネルは気泡を含む軽量な素材ですが、構造体としての強度はなく、主に耐火性のために用いられる材料です。
主体構造は鉄骨造となることがほとんどで、大規模なショッピングセンターや倉庫などの外壁や間仕切り壁に多く使われています。
以下に、建築設計dueによるRC建築事例をまとめてみました。
デザイン、規模、コストは様々ですが、共通点は、「なんとしてもコンクリートの家に住みたい」という施主の情熱でした。そうして実現した家の満足度は、ひときわ高くなっていると感じています。
RC建築は大部分を現場で人の手で造るため、造り手の側から見ても、技術力が必要であると共に、とてもやり甲斐があります。普通の人が建てる、普通ではないコンクリート・ハウスは、建築設計dueのライフワークのひとつとなっています。
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