富山県ではオール電化住宅が多くなっているようですが、ここでは、根強い人気があるガス器具についてお話しします。
住宅で使用する熱エネルギーの主な利用目的は、①調理 ②給湯 ③暖房・乾燥です。
電気とガスではそれぞれ長所・短所があります。大雑把にいえば、短時間に大きな熱を取り出す機器はガスのほうが優れ、長時間使用には電気(ヒートポンプ)が優れています。
ガスコンロは、鍋やフライパンの材質や形状を選ばず、操作が直感的で、対流が起こりムラなく煮込みができるメリットがあります。下部にガスオーブンを組み込むこともできます。料理好きな方にはガスコンロの人気が高く、「電化住宅にしたいが調理だけはガスで」という方も少なくないようです。
IHヒーターは「掃除がしやすい」ことが大きなメリットですが、近年ではガスコンロも掃除しやすくなっています。
ガスコンロは火を使うため安全性に注意が必要で、法令上「火気」であるため、内装仕上げに制約があります。ただし、IHヒーターでの火災や火傷の事例も報告されており、必ずしも安全とはいえません。
ガス給湯器は瞬間的に多くのお湯を供給でき、エコキュートのような湯切れがありません。大雪や凍結の影響もほとんど受けず安定して給湯できます。設置スペースが小さく、機構がシンプルなので機器の価格が安く、メンテナンス・更新もしやすいこともメリットです。
給湯にかかるランニングコストでいえば、電気式のヒートポンプ(エコキュート)のほうが安くなる傾向があります。
また、ECO ONE のように、ガス給湯器とヒートポンプを組み合わせたハイブリッド給湯器も開発されています。これは、ガス給湯器とエコキュートのメリットとデメリットを併せ持っています。
ガス温水式床暖房・ルームヒーターの立上りの速さは電気式では得がたいものです。ガス給湯器はヒートポンプのように外気温・湿度の影響を受けず、霜取り運転なども必要なく安定して高温水を供給できるからです。立上りの速さから使用時間を短くできるため、ライフスタイル次第ではランニングコストを電気より安くできるケースもあります。
また、ガス乾燥機「乾太くん」は電気式乾燥機を圧倒するパワーがあり、きわめて短時間で乾燥できるため、建築設計dueのお客様にとても人気があります。
ガス器具を利用したいけど、ガス代が気になるという方は多いと思います。
上記のように、ガス会社独自のお得な料金体系があります。ガス温水式床暖房を設置した場合にガス代が大幅に安くなるなど、ライフスタイルに合わせて設定できます。特にLPG(プロパンガス)では大きな差が出るでしょう。
富山県におけるオール電化率の特異な高さは、電力会社の営業に押された結果かもしれません。近年ではガスの良さも見直されており、建築設計dueの実績では、オールガス住宅にされた方々の満足度はとても高いように感じています。