東京からUターンして25年。建築士として富山のものづくりの現場に関わりながら、自然豊かな環境で生活を楽しんでいます。
近年、都市と地方の二拠点生活や地方移住が注目される中、富山県は理想的な移住先の一つかもしれません。東京から新幹線でわずか2時間とアクセスも良く、快適な生活環境が整っています。今回は、富山に住むことの魅力を考えてみます。
移住をするときには、まず仕事があるかどうかが気になると思います。富山は製造業をはじめとする産業が盛んで、全国平均よりも有効求人倍率が高くなっています。誠実で勤勉な県民性も相まって、共働き家庭が一般的であり、世帯収入や可処分所得が多いというデータもあります。一方で、通勤のストレスが少なく自分の時間を取りやすいため、ワークライフバランスを維持しやすい土地柄といえるでしょう。
富山湾は「天然のいけす」と呼ばれ、新鮮な魚介類が豊富。ブリ、ホタルイカ、白エビ、バイ貝など、普通のスーパーに極上の食材が安価に並ぶ魅力は代えがたいものです。地元の野菜やお米、お酒も絶品で、食の楽しみが尽きません。イタリア料理が好きな私も、富山の食材で日々料理を楽しんでいます。
海も山も街から近く、四季折々のアクティビティが楽しめます。登山、スキー、サイクリングやキャンプ、釣りやカヤックも気軽に楽しめる環境が整っています。私は子どもの頃から釣りが大好きですが、最近では手軽なデイキャンプもマイブーム。どこへ行っても場所取りの必要もなく、海岸や河原の広大な景色を独り占めできます。
富山は移動がスムーズで渋滞が少なく、どこへ行くにも短時間。通勤や買い物、レジャーも快適で、時間に余裕が生まれます。東京であれば、マンションの玄関を出てエレベーターを降り、最寄り駅まで歩いて電車を待つほどの時間で、ほとんどの場所に着いてしまうでしょう。お店で混雑や行列に悩まされることもほとんどありません。
子育て支援が手厚く、待機児童ゼロの市町村も多数。都会のような小・中学校の受験競争はほとんどありませんが、まじめで教育熱心な県民性と言われ、優秀な公立高校もたくさんあります。
また、県庁所在地である富山市は医療機関も充実し、総合病院から専門医まで幅広い選択肢があります。私自身、高齢の家族と同居しており、医療と福祉の手厚さを日々実感しています。訪問診療や介護サービスも整い、老後も安心して暮らせる環境です。
県外の方から見て、まず気になるのは雪国のイメージでしょう。しかし実際には、多くの雪が積もるのは1年間の中で2週間程度です。道路には消雪装置が施され、冬の交通事情は大きく改善されています。気温が0度以下になることは多くなく、冬でも湿度が高いため体感温度はそれほど寒く感じません。また、最近の住宅は冬も暖かい造りですし、多くの積雪に耐える構造になっています。
もうひとつの懸念は、地方ならではの閉鎖性や排他性かもしれません。私もUターンした当初は感じるところが多くありました。しかし社会構造や世代の変化によって地域のつながりは緩くなってきており、自分次第で適度な距離感を保ち、自由に暮らせると感じます。
また、情報やイベント、お店の質と量では都会に及びませんが、東京まで2時間で行けるようになり、ネット環境も進んだ現在では、工夫次第で大きな不足を感じずに暮らせるでしょう。
富山では、広くて安価な土地が手に入りやすく、理想の家を建てやすいといえるでしょう。都市部に比べ建築の法規制が緩やかで、自由度の高い設計がしやすいのも魅力。真面目で優秀な職人も多く、質の高い家づくりが可能です。
建築設計dueは、都会と富山の両方を知る建築士事務所として、富山の風土と現代の暮らしに合った美しい家づくりを提案できます。
のびのびとした暮らしを求めるなら、ぜひ一度富山を訪れてみてください。とても住みよいところですよ。
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