建築は、現場での一品生産です。 工場で量産される製品とは違います。さまざまな工種が現場で集結して、ようやくひとつの建物になるのです。
それを指揮するのが、現場監督です。
一般的には、家は大工さんがつくると思われているかもしれません。しかしプレカット化が進む中で、工事全体の中で大工さんの仕事が占める割合は想像されるほど多くありません。
たとえ同じ設計図であっても、現場監督の腕と気配りによって建築の品質は変わります。
・施工図を自分で描き、設計監理者に報告・確認する
・施工だけでなく、法規や構造、デザインの知識をもつ
・正確に積算し、コストを把握する
・下請け任せにせず、常に全体を把握する
・墨出しを自分でする
・職人を手伝い、細々とした作業を自分で行う
・建築主と仲良く付き合い、近隣に配慮する
工程や発注を管理する他に、これだけの仕事をきっちりこなすのは凄いことです。
現場管理の「管」は「タケカン」、設計監理の「監」は「サラカン」と俗に呼ばれます。設計者の行う「監理」は、設計図通りに工事が進められていることを確かめる仕事です。
優れた監督と組めば、設計者による監理は間違い探しではなくなり、設計図よりさらに良くすることにエネルギーを注げます。一緒にいいものつくろうぜー!!という一体感が生まれると感じています。
良い監督ほど、プライベートを犠牲にして献身的に働きます。おそらく労働基準法スレスレでは?
これでは、後継者が育たないかもしれません。若者はついてこられるでしょうか?
近年では少しずつ現場のホワイト化が進み、かなり改善されつつありますが、まだまだ会社によって差があると思います。
私たち設計者も、人のことは言えませんが。
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