設計事務所の仕事は一般の方にはあまり知られていないようです。
設計監理のプロセスは、個人住宅でも店舗や集合住宅などの大型建築でも基本的には同じです。
ポイントは、デザイナー・技術者であると同時に、様々な局面において「施主の代理人」となるということです。
「こんな家に住みたい」
「こんな暮らしがしたい」
「こんなお店を開きたい」
「この土地で夢が叶うだろうか?」
最初はいつもお客様からのこうした漠然とした相談から始まります。
家づくりの夢や土地に関することなど、どんなことでもお気軽にご相談下さい。
まずはメールまたは電話でご連絡頂き、日程調整の上、当アトリエまでおこしください。
お互いに顔を合わせ、ここで大いに夢や希望を語っていただきます。
敷地の状況をヒアリングし、関係法令を確認します。
ご希望があればご一緒に現地の確認も行います。
敷地と周辺環境の特徴、個性、問題点などを専門家として分析します。
まだ土地探しの段階でもアドバイスが可能です。
過去の経験や簡単なスケッチによって、様々なアイデアや発想をお話します。
ここまでの家づくりに関する相談やアドバイス、法令調査は無料で行います。
ただし、この段階で具体的な図面を描くことはしていません。
最善のプランを生み出すためには深いコミュニケーションと長い時間をかけた検討が必要です。
私たちは最後まで責任が持てる仕事をしたいと考えています。
頂いた貴重な報酬と時間を、営業的に浪費することなく、
すべてを直接クライアントへのサービスとして還元しています。
私たちの実績や考え方を理解して頂き、
家づくりに対する夢をかなえるパートナーとしてご信頼いただけるようでしたら
業務内容や期間、報酬などについて提示・合意の上で、設計監理契約を結びます。
ここから本格的な打ち合わせと作業が始まります。
ここで重要なのは、具体的な間取りや素材や工法よりも、
暮らし方、子育てのあり方、時間の使い方のような漠然としたイメージです。
施設やお店であれば運営方針を固め、共有することが大切になります。
この段階ではあまり細部にこだわるよりも、お互いに自由な発想でのコミュニケーションが大切です。
さらに敷地条件、間取りとデザイン、構造や工法、各種法令、コストなども押さえながら、
最初の基本プランをまとめて提案いたします。
このような検討と対話を行うため、
設計開始から初回提案まで通常2~4ヶ月程度の時間をいただいています。
初回提案では、図面やパース、模型を使って詳細なプレゼンテーションを行います。
しばらくの間、施主にはその家の中でバーチャルに暮らしていただきます。
これを元に数回の修正を加え、大筋で承認されれば基本設計が終了します。
ファーストプランで決まる場合もあれば、1年かけてじっくり練り込むこともあります。
私たちの検討作業だけでなく、住まい手の側でもイメージを高める時間が必要だと思います。
もちろん工期に希望や制限があれば、それに合わせてスケジュールを組むことができます。
基本設計は最も大切なプロセスになりますので、ここで十分な時間をかけることをおすすめしています。
基本設計が承認されたら、実施設計に入ります。
基本設計に基づき、意匠・構造・設備・電気の詳細設計を含む「設計図書」を作成します。
機能、デザインから構造、設備にわたって技術的な検討を重ねるとともに、概算コスト検討を行います。
施主の夢を叶え、美しく機能的な建築をつくることはもちろんですが、予算内に収めることも大変重要です。
設計図が完成したら、施工会社に工事費の見積もりを依頼します。
施工会社の選定はケースバイケースですが、十分な技術力のある数社を選定し、
見積もり競争入札によって決定することが基本になります。
建設会社から提出された見積書について、設計図と整合し、
市場の実勢に合う単価であるかなどを、「施主の代理人」としてチェック、査定します。
この結果に基づき、施主の判断において施工会社を決定しますが、
私たちが見積もりの妥当性や精度、技術力、実績などについてアドバイスをすることができます。
無駄のない設計、公正な競争原理、地道なマネジメントが、建築のコストパフォーマンスを向上させます。
建物を建てるためには、建築関係法令に適合していることを、行政や審査機関に確認してもらわなければなりません。
このために図面と申請書類からなる「確認申請図書」等を作成し、施主の代理人として申請します。
建築基準法をはじめ、消防法、都市計画法、各種条例等多岐に渡り、
複雑な法解釈をめぐって行政機関との地道な協議もしばしばです。
予算が折り合い、施工会社が決まったら、工事請負契約を行い、工事着工となります。
工事請負契約は施主と施工会社(建設会社、工務店)が直接締結しますが、
私たちは施主の代理人として工事を監理する立場となります。
ここで施主、設計事務所、施工会社というトライアングルが成立するのです。
信頼関係の元、独立した3者がお互いに義務を負い合うのが本来の形です。
この場合、設計事務所が建設会社の元請けや下請けとなることはありません。
施主は発注者として大きな権限を持つとともに、「意思決定」と「支払い」という最大の責任を負います。
三角形の各々が全力を尽くし、スムーズに機能することで、高品質・低コストの建築をつくることができます。
ここでいう「監理」とは、施工会社の行う「施工管理」とはまったく異なる業務です。
現場監督の行う「管理」とは、
工程管理、資材の発注、安全管理、墨出し、施工図作成といった施工上のマネジメントです。
設計事務所の行う「監理」とは、
設計図書どおりに施工されているかどうかを、施主の代理人としてチェックすることです。
また設計図書以上の細部を検討したり、施工図・製作図をチェックするなどして、
具体的な材料や工法、品番や色などを決定します。
施主からの質疑や要望などは設計監理者が検討したうえで施工会社に指示します。
建物が完成すると、やはり施主の代理人として検査を行い、問題があれば手直しの指示をします。
また行政機関の完了検査等にも立ち会います。
工事監理は、二次元の図面を三次元化し、建物に命を吹き込む重要な仕事です。
設計監理契約から建物の完成まで、おおむね18ヶ月程度とお考え下さい。
建物が完成すれば業務としては終了になりますが、必要に応じて点検を行います。
修理やメンテナンスは施工会社が行いますが、私たちは施主の代理人として、
そして建物のことをよく知るドクターのように、
専門家の眼でアドバイス、指示、査定等を行うことができます。
増改築やインテリアのご相談、家具・備品選びなどについても、
出来る限りお手伝いしていきたいと思います。
竣工写真がベストであるような家はNGです。
じっくり対話を積み重ねて、しっかり設計・施工された家は、
年月とともに住まい手に馴染み、良い家になっていきます。
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