○○断熱と△△通気、◇◇暖房による○△◇工法....
断熱さえ良ければ良い家であるかのような....世の中にはそんな情報があふれています。
作り手の側からすれば、差別化を謳いやすいからでしょう。
「こんな断熱の家に住みたい」 .......家づくりの夢がそれでは、ちょっと寂しいと思います。
もちろん、断熱、通気、空調、換気等は重要な技術です。
粉塵を極小にするクリーンルーム設備を備えた薬品や半導体工場。
気流を抑えたエアハンドリングを行う体育館。
静粛性が最優先される音楽ホール。
眺望の良いリゾートホテル、高層ビルのガラス張り空間を成立させる冷暖房技術。
50cmもの断熱層をもつ冷凍倉庫。
温度、湿度、気圧をコントロールする屋内プール。
恒温恒湿に制御される、美術館の収蔵庫。
日本古来の土蔵の自然空調メカニズム。 夏を旨としてきた、日本の民家。
忘れてはならないのは、断熱や空調は「手段」であって「目的」ではないということです。
その建築に求められる目標値を定め、それを達成するための技術を適材適所に応用すること。
それがエンジニアリングというものです。
住宅においても、暮らし方や空間構成によって、最適な空調システムは大きく変わってきます。
「こんな空間をつくりたい、こんな眺望が欲しい、こんな暮らし方をしたい...」
まずそれが先であって、そのためにどんな技術を使うべきかを考えるのが、私たちの仕事です。
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